英語


はじめに

 共通科目外国語領域の英語授業科目には、初習外国語としての英語から、教育外書講読のように高度に専門的な領域の文献講読に対応する科目まで、さまざまな科目がありますが、全体として目指すところは、現代英語の運用能力を高めることです。そのために「英語リーディングI・II」「英語リスニング」「英語翻訳講義」「英作文講義」「英語コミュニケーョン」等、読み・書き・聞き・話す能力を鍛える科目を用意し、それぞれに初級・中級・上級のクラスがあります。「集中演習」(中級・上級)は、小人数で、すべのことを英語で行う短期集中の科目です。「履修ガイド」を参照の上、目的意識をもって、その目的と力に合わせて4年の間に上手に時間割を組み立てて下さい。

 英語は、現在、国際共通言語(lingua franca)としての性格を帯びており、国際間の直接的なコミュニケーションと理解のための基本言語として、その運用能力を身につけることは、大学においても英語を学ぶ主要な目的の一つです。しかし、その実用性をあまり狭く考えるのは賢明ではありません。たとえば会話能力を伸ばすことが最終目的であるならば、本学で用意している科目だけでは不十分であり、民間の英会話学校のほうがその目的に適っています。時間とお金があれば、いや少し無理をしても、そうした機会を並行して利用することをお勧めします。読む能力・書く能力は、聞き・話す能力に比べて従来あまりにも力点が置かれ過ぎてきたために、近年逆に軽視されている、あるいはその力が低下しているように思われますが、読む能力の実用性は、現在および将来においても高いはずです。実際には、これらの能力が分離していることは言語能力として不自然・不完全であり、この点に従来の英語教育に対する私たちの反省があります。バランスのとれた運用能力を養って下さい。

 言語はそれを用いる人々の文化と不可分であり、言語を通して見えてくるその民族・国民の微妙な意識の深部があります。それゆえに私たちは、外国語を学ぶことを通して、その文化を理解しようと努めてきました。異言語理解を通じて異文化を理解し、その知的活動のなかで自国の言語・文化を客体化して見る─このことが外国語を学ぶことの大きな意義であることは、現在も変わっていません。このことは、大学における外国語教育が、外国語の運用能力を高めることと併せて重視しているもう一つの点です。ぜひこの点に絶えず意識を向けて下さい。

外国語・英語学習法

 英語を含めて一般に外国語学習について書かれた本がいろいろあります。千野栄一「外国語上達法」(岩波新書)、渡辺照宏「外国語の学び方」(岩波新書)、水野光晴「外国語習得─その学び方100の質問」(研究社)などが参考になるでしょう。ことばと文化、日本語と外国語に関するものとしては、鈴木孝夫「ことばと文化」、同「日本語と外国語」(いずれも岩波新書)、金田一春彦「日本語上・下」(岩波新書)など。

 英文法の知識をあらためて実践的に整理したいと思う人には、太田朗「英文法・英作文」(研究社)をお勧めします。さらに詳しい説明を求めるならば、江川泰一郎「英文法解説」(金子書房)。英語の表現の微妙な問題、英語の発想の特徴などに目を向ける余裕のある人には、池上嘉彦「<英文法〉を考える」(ちくま学芸文庫)、安西徹雄「英語の発想」(講談社現代新書)、同「英文翻訳術」(ちくま学芸文庫)、大津栄一郎「英語の感覚上・下」(岩波新書)、行方昭夫「英文快読術」(岩波書店同時代ライブラリー)、マーク・ピーターセン「日本人の英語正・続」(岩波新書)などはどうでしょうか。

英和・和英・英英辞典

 通常だれにでも、それぞれ愛用の英和辞典があります。どんな辞典をお使いですか。近年、学習辞典クラスの英和辞典にめざましい進歩が見られ、英語学習上の有益な情報を盛り込んだ特色のある辞典がいろいろあります。「スーパーアンカー」「ニューアンカー」(学研)、「新グローバル」(三省堂)、「ジーニアス」(大修館)、「ライトハウス」(研究社)、「ブライト」(小学館)など。

 ただ、新聞、雑誌、小説などを読むには、これらの辞典では語彙が足りないでしょう。学習的配慮も行き届き、語彙もかなり多いのは「プログレッシブ」(小学館)、「カレッジ・ライトハウス」(研究社)、「研究社新英和中辞典」(研究社)、それから「カレッジクラウン」(三省堂)など。中型で最も語彙の多いのは「リーダーズ」(研究社)で、26万語をおさめています。

 大型の辞典には、「研究社新英和大辞典第5版」(研究社)、「ランダムハウス英和大辞典第2版」(小学館)、「岩波英和大辞典」(岩波書店)などがあります。自分の辞典に載っていない語などは、それで終わりにせずに、図書館等でこれらの大型辞典に当たって下さい。

 英語を本格的に勉強したい人には、英英辞典を使うことをお勧めします。使いやすさでは、Oxford Advanced Learner's Dictionary, 5th ed. (Oxford University Press)、基本語彙2000語で定義してあるLongman Dictionary of Contemporary English, 3rd ed. (Longman)や Cambridge International Dictionary of English(Cambridge University Press)などCollins COBUILD English Dictionary, 2nd ed. (Collins)も定義を完全な文の形で行っていて、わかりやすいでしょう。もう少し進んだ人には、The Concise Oxford Dictionary, 9th ed. (Oxford University Press)やThe American Heritage Dictionary, 3rd ed. (Houghton Mifflin)大型辞典では、The Random House Dictionary of the English Language, 2nd ed. (Random House), Webster's Third New International Dictionary (Merriam Webster), そして世界最大の英語辞典The Oxford English Dictionary, 2nd ed. ,20vols.(Oxford University Press)図書館では、この「オックスフォード英語大辞典」2版のCD-ROM版も使えます。

 和英辞典では、学習辞典クラスで「ニューアンカー」(学研)や「ライトハウス」(研究社)、中型で「プログレッシブ」(小学館)、「研究社新和英中辞典」(研究社)、「カレッジ・ライトハウス」(研究社)など、大型辞典として「研究社新和英大辞典第4版」(研究社)があります。「新編 英和活用大辞典」(研究社)は、慣習的な語と語の結合すなわち連語(collo cation)の辞典です。英語で文章を書くときにこの辞典がいかに有り難いかぜひ実地に試してみて下さい。

事典

 現代英語の文章を読んでいて、語義・語法を中心にした辞書・辞典だけでは情報が不十分であったり、理解できなかったりすることがあります。学習辞典でも相当の百科事典的な情報を載せていますが、たとえば「リーダーズ・プラス」(研究社)は、「リーダーズ英和辞典」編纂後の新語と、固有名詞等それに盛りきれなかった百科事典的情報を一冊に編んだものです。なお「リーダーズ英和辞典」「リーダーズ・プラス」を同時に収めた「リーダーズ+プラス」がCD−ROM及び電子ブックの形で利用できます。以下ここでは、辞典を超えたことがらに関するもの、事典類を補っておきます。

 英語の特性に関する基礎知識、日本人と英語、日常生活の中の英語の常識等、具体的で実用性のある知識・情報を集めたのが、岩崎春雄他編「現代人のための英語の常識百科」(研究社)で、非常によく編集されています。新しいものでは、伊村元道他編「英語なんでも情報事典Q&A」(研究社)。

 イギリスの歴史・社会、生活環境・習慣、宗教、生産・運輸、教育・文化、スポーツ、政治・経済等については、安東伸介他編「イギリスの生活と文化事典」(研究社)が参考になるでしょう。

 アメリカに関しては、佐伯彰一他編「アメリカ・ハンドブック」(三省堂)、大きいものでは「講座アメリカの文化全7巻」(南雲堂)、「総合研究アメリカ全7巻」(研究社)。ほかに「英語語法大事典(風物編)」(大修館)、稲村松雄「アメリカ風物誌」(開隆堂)など。

 文学については「英米文学辞典第3版」(研究社)や「改訂増補 新潮世界文学辞典」(新潮社)など。

 英文法については、「新英語学辞典」(研究社)、「新英文法辞典」(三省堂)、「現代英文法辞典」(大修館)、語法についても「英語慣用法辞典」(三省堂)、「英語語法大辞典全4集」(大修館)、「英語表現辞典」(研究社)などがあります。

 故事来歴・伝説その他、いろいろ珍しいことを教えてくれるのは、Brewer's Dictionary of Phrase and Fable, 15th ed. (Cassell)で、初版は1870年ですが、幾度も改訂を経て人気があります。たとえばhat trickとかsour grapesを引くと、その意味やいわれを教えてくれます。加島祥造他訳「ブルーワー英語故事成語大辞典」(大修館)は、その第14版の翻訳です。

 日本における類書では、井上義昌「英米故事伝説辞典増捕版」(冨山房)。諺では、大塚高信・高瀬省三編「英語諺辞典」(三省堂)、さらには柴田武他編「世界ことわざ大事典」(大修館)。外山滋比古他編「英語名句事典」(大修館)、柴田武他編「世界なぞなぞ大事典」(大修館)などもあります。ブルーワーもそうですが、近年は、外国で出版された特色ある事典類の翻訳も増えています。たとえば、アト・ド・フリース/山下主一郎他訳「イメージ・シンボル事典」(大修館)、I.オウピー&M.テイタム/山形和美他訳「英語迷信・俗信事典」(大修館)、K.ブリッグズ/平野敬一他訳「妖精事典」(冨山房)、あるいはA.ルーム/渡辺時夫他訳「英国を知る辞典」(研究社)、チャールズ・カイトリー/渋谷勉訳「イギリス祭事・民俗事典」(大修館)などがあります。

 英語世界において重要な固有名詞とその発音について調べるときには、今世紀前半までの事項であれば、The New Century Cyclopedia of Names,3vols.(Prentice-Hall)を引くと、実在および架空の人物、文学作品、歴史上の出来事その他、およそ10万件の固有名詞が説明され、発音表記が付されています。発音だけならば、大塚高信他編「固有名詞英語発音辞典」(三省堂)。もちろん各種百科事典も役に立ちます。

 最後に、絵で見る辞典、図解辞典として、古典的なものでは、I See All, 5 vols.(Amalgamated Press)、ほかにThe New Oxford Illustrated Dictionary, 2 vols.(Oxford University Press), The Macmillan Visual Dictionary(Macmillan), Oxford-Duden Pictorial English Dictionary(Oxford University Press)などがあります。「オックスフォード・ドゥーデン図解英和辞典」(福武書店)は、Oxford-Dudenの翻訳版です。

視聴覚教材

 英語の学習には、音声の利用が欠かせません。英語を聞いて、英語独特の発音、リズム、イントネーション等を習得するためには、ラジオやテレビ、テープ、ビデオ、CDなどを使って学習するのが有効です。各種の視聴覚教材が出ています。以下、代表的なものを挙げておきます。図書館の教材を利用するほか、経済的に余裕があれば、自分で買って勉強して下さい。

Intensive Course in English ELS (English Language Service)編(ランゲージ・サービス社)

 初級・中級・上級のコースがあります。中級から始めるとよいでしょう。読み物、発音、会話練習など、英語を総合的に学習できます。

English 900

ELS編(マクミラン社)

 教材がたくみに繰り返されていて、自然に種々の表現形式を覚えられるように工夫されています。Book4ぐらいから学習するとよいでしょう。

「リンガフォン」 (リンガフォン協会)

 伝統があり、信用のある教材です。イギリス英語とアメリカ英語のコースがあります。

The Passport for You (Japan of the World)

ビデオとテキストで現代の英語・会話の学習ができます。

「英語・米語・世界の英語」 (大修館)

 イギリス英語やアメリカ英語のほかにいくつかの英語があり、いろいろな英語に慣れるのに役立ちます。

The English Journal (アルク社)

 月刊の英語雑誌です。インタビュー、会話などの生の自然な英語がテープに入っており、テキストの文字で確認できて、現代の生きた英語に慣れるのに適しています。

(野田哲雄・長原幸雄)
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